トマトの豆知識

2021.09.09

トマト農家が教えるトマトの豆知識

トマトとは

ナス科ナス属の植物又は果実のことで、別名アカナスとも呼ばれています。多年生植物であり、緑黄色野菜の一種です。

トマトの歴史

トマトの原産地は南ペルーのアンデス地方です。日本へは1661~1673年頃に渡来したといわれており、消費が大きく拡大したのは第二次世界大戦以降になります。当初は酸味が強く青臭かったトマトもその後品種改良が進み、甘くて程よい酸味のあるトマトが栽培されるようになり現在に至ります。

トマトの語源

トマトという名称は、大昔にメキシコに住んでいたアステカ人がトマトを「膨らむ果実」を意味する「トマトゥル」と呼んだことに由来します。ちなみにヨーロッパでは当初「黄金のリンゴ」を意味する「ポモ・ドーロ」と呼ばれていました。

トマトの生育適温

日中は23度から25度、夜間は10度から15度で湿度は80%が最適と言われています。これは原産国のアンデス山脈の気温に近く、日本では春、秋の気温に近いです。

トマトの旬

トマトは夏野菜のイメージがありますが、一番おいしい季節は春から初夏です。現在は加温施設を活用することで春から初夏にかけてトマトを収穫できます。ただ、トマトが食用として日本で作られるようになった江戸時代は、加温設備を備えたビニールハウスがありませんでした。そのため、春に種をまいて夏に収穫するしかなく、夏野菜のイメージが定着したと思われます。

トマトの種類

トマトは大きく分けて生食用と加工用に分かれており、さらに大玉トマト・ミディトマト・ミニトマトに分類されます。その品種は10,000種類以上あり、色や形、大きさも様々です。日本で品種登録されているのは240品種です。

フルーツトマト

フルーツトマトは品種名ではありません。特別な栽培技術によって作られた糖度8%以上のトマトをフルーツトマトと呼ぶことが多いです。

トマトの作型

露地栽培

3月頃に種まきをして4月から5月に露地に植え付ける栽培方法です。収穫期間は7月から8月頃までです。普通栽培とも呼ばれ、トマトの作型の基本になります。

早熟栽培

露地栽培よりも少し早く収穫できる栽培方法です。具体的には1月から2月頃に播種して、3月から4月に植え付けます。収穫期間は6月から8月頃となります。

促成栽培

ボイラー等で加温し、トマトの生育スピードを速めて通常よりも早い時期に収穫するための栽培方法です。露地栽培は春に種まきをして収穫期間は7月から8月頃であるのに対して、促成栽培の収穫期間は12月から7月頃までとなります。当農園で採用しているのは促成栽培です。

抑制栽培

通常よりも開花や収穫の時期を遅らせるようにする栽培方法です。露地栽培よりも収穫が始まる時期は遅く、収穫期間は9月から11月頃となります。

トマトの栽培方法

トマトを鉄骨ハウスやパイプハウスで作る場合、栽培方法は大きく分けて「土耕栽培」と「水耕栽培」に分かれます。前者が土を使用しトマトを栽培するのに対し、後者は土を使わず水で作る栽培方法です。当農園は「土耕栽培」でトマトを作っており、試行錯誤の結果、植え付け時は一切水を与えない「無かん水栽培」という独自技術に辿り着きました。

トマトの栄養価

トマトは栄養価が豊富で、昔から「トマトが赤くなると医者が青くなる」と言われています。特にビタミンCが豊富に含まれており、トマト1個で一日に必要とする量の半分が採れるといわれています。そしてもう一つ重要な栄養素がトマトの赤色のベースとなるリコピンで、生活習慣病の予防に効果があるといわれています。また皮に含まれているペクチンは血中のコレステロール値を下げる働きがあり、血液をサラサラにしてくれます。

トマト(大玉)とミニトマトの栄養価

トマト(大玉)とミニトマトを比べると、その大きさからトマトの方が栄養価が高いと思われがちですが、実はミニトマトの方が栄養価は高いのです。具体的にはトマト(大玉)に対しるミニトマトの栄養価はリコピンが約3倍、ビタミンCが約3倍、βカロテンが約1.7倍、食物繊維が約1.4倍含まれています。

トマトの栄養価を効率良く摂取する方法

リコピンは脂溶性であるため、油と一緒に食べたり、加熱して食べると摂取効率が上がるといわれています。ちなみにトマトを加熱すると摂取効率が約3倍になるといわれています。

トマトの摂取量

我が国における一人あたりのトマトの摂取量は年間約9kgです。世界の平均摂取量である約20kgに比べると二分の一です。

トマトの保存方法

トマトは傷みやすいため、鮮度を維持するためには1個づつキッチンペーパーで巻き、肉厚で痛みに強いヘタの部分を下にして、冷蔵庫で保管するのがおすすめです。

簡単なトマトの皮のむき方

トマトを沸騰したお湯に通して、冷たい水につけると簡単に皮をむくことができます。

美味しいトマトの見分け方

ずっしりとして重みがあり、おしりの部分から放射線状に線が伸びている「スターマーク」のあるトマトが美味しいといわれています。

新鮮なトマトの見分け方

ヘタと実の表面の状態を見ればわかります。ヘタが濃い緑色をしていて萎れがなく、実の表面にハリとツヤがあるものが新鮮なトマトです。

トマトが料理が美味しくする理由

トマトには旨味成分である「グルタミン酸」が含まれており、一緒に料理する食材の旨味を引き出します。さらにクエン酸等のトマトの酸味が肉や魚の臭みを消してくれる効果があるためです。

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