農業を始める時に何の野菜を作るかは大きなテーマです。今回は私が栽培品目として選んだトマトについてお話しさせて頂きます。今では1年中スーパーで見かけるトマトですが、トマト農家の仕事はどのようなものなのでしょうか?
トマト農家の仕事
トマト農家の繁忙期は出荷のシーズンです。トマトは生き物であるため、毎日管理作業や収穫作業に追われます。露地栽培を主とするトマト農家では、夏はほとんど休みがなく、冬に長期の休みを取る場合もあります。一方、ハウス栽培を主とするトマト農家は少しずつ栽培時期をずらして、年間を通して計画的に出荷できるよう調整している場合もあります。
トマト農家に必要な設備等
露地栽培か施設栽培(ハウス栽培)かによって必要な設備は異なります。露地栽培はハウスなどの資材が必要ないためコストを安く抑えられます。ただ天候等の影響を受けやすいというデメリットもあります。経営の安定という点では、コストはかかりますが施設栽培が無難といえます。必須の機械としてはトラクターがあげられます。その他の必要な資材や設備は作型によって異なります。夏から秋の作型ではかん水設備や雨除けのハウスがあれば十分です。一方、冬から春にかけての作型では保温用の暖房設備やカーテン等が必要となります。
ハウスの建設費用
トマトの施設栽培を始める時に大きな負担となるのがハウスの建設費用です。建設するハウスの種類によって費用は異なりますが、大まかな値段は以下の通りです。
面積は300坪とした場合、
鉄骨ハウス 1,500万円
パイプハウス 500万円
程度となります。
ただし、施工の一部を自分で行えばコストを低く抑えることも可能です。
農地の確保
新規就農で農業を始める場合は農地の確保もしなければなりませんので、その資金も必要となります。農地を借りるもしくは購入する際は、日当たりや土質等、作物に影響がある項目を入念にチェックする必要があります。
トマト農家の魅力
野菜は味の差別化が難しいと言われています。そんな中、トマトは作り手の栽培技術で味の5割以上が決まります。すなわち世界で一つだけのオンリーワンのトマトを作ることができます。オンリーワンのトマトを作り他の生産者との差別化ができれば、市場価格に左右されることなく安定した価格でトマトを販売することができます。結果として経営の安定につながります。
トマト栽培に向いている環境
トマトは高温多湿に弱いので、温暖地では高温期に着色不良等の被害に遭うことがあります。根を地中深くまで伸ばす作物のため、水はけがよく、地下水位が低い土地が好ましいです。土壌酸度は中性に近い酸性が適しています。
トマトの生産量ランキング
圧倒的なシェアを誇っているのは熊本県です。茨城県、北海道、千葉県でも多く栽培されています。
トマト農家になるには
トマトを栽培している個人農家や農業法人に就職して栽培技術を習得すると良いとお思います。アルバイトから始めてみるのも一つの方法です。市町村によっては長期研修等を実施している場合もありますので、チェックしてみてください。
トマト農家として成功するためには
まずは研修等により、しっかりとした栽培技術を身につけましょう。その上で農地の確保や施設の建設等を行いトマト栽培のスタートに備えます。また、情報発信という点ではホームページの作成やSNS等の活用も重要です。情報発信力を強化することで、自分が作ったトマトの魅力をお客様に直接伝えることができます。これからの農業においてはブランディングは切っても切り離せないものです。プローモーションや営業のスキルも必要だと思います。トマトを作るだけではなく、自分が作ったトマトを販売できる。それが成功するトマト農家の条件だと思います。